体内におけるHIVウイルスの増殖を抑えるために、複数の抗HIV-1薬を併用して行う治療法です。

HAART療法の概要と特徴

不治の病として恐れられてきたHIV感染症やエイズですが、近年は飛躍的な技術進歩とHIVウイルスの研究が進んだ事で効果的な治療法が確立しつつあります。

 

その中でも特に有効とされている治療法が「HAART療法」と呼ばれる複数の抗HIV-1薬を併用して行う治療法です。

 

HAART療法はHIV感染症患者や既にエイズを発症した患者の体質や症状に合わせて複数の抗HIV治療薬を組み合わせながら投与し、体内におけるHIVウイルスの増殖を抑える事を目的とした治療法です。

 

既にエイズを発症してしまった患者に対してはその効果は限定的となってしまいますが、まだエイズを発症していないHIV感染症患者に対しては非常に有効な治療法として今、HAART療法への注目度が高まっています。

 

HAART療法は複数の抗HIV治療薬を組み合わせて治療を行う事から「カクテル療法」とも呼ばれていますが、HAART療法が確立されてから以後はHIV感染症やエイズによる死亡率が約3分の1にまで低下しています。

 

 

HAART療法の問題点

HIV感染症に有効な治療法として高い注目が集まっているHAART療法ですが、HIVウイルスは突然変異を起こし易く薬剤耐性ウイルスが出現し易いという特徴がある為、時間の経過と共に幾つかの抗HIV治療薬の効果が薄れてきてしまう可能性があるという問題点が指摘されています。

 

そのため、最近では薬剤耐性ウイルスが出現した場合は複数の抗HIV治療薬の組み合わせを変更する事で事態の改善を目指すという方法が取られています。

 

また、全ての薬剤において「副作用のリスク」が指摘されており、HAART療法を実施する事で複数の薬剤による副作用を併発してしまう可能性も高まります。

 

そしてHAART療法が抱える最大の問題点はその「治療費の高さ」にあります。
HAART療法で使用される抗HIV治療薬はそのほとんどが高価である為、長期的に治療を続けていく上で経済的な負担が大きくなってしまうという難点があります。