ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の名を広げるキッカケとなった事件です。

薬害エイズ事件の概要

1980年代に発生した「薬害エイズ事件」は当時、人々の間でそれほど認知度が高くなかったヒト免疫不全ウイルスの名を瞬く間に広げるキッカケとなった事件としても知られています。

 

薬害エイズ事件とはヒト免疫不全ウイルス、通称「HIVウイルス」に汚染された血液凝固因子製剤を使用して血友病患者の治療を行った結果、膨大な数のエイズ患者を生み出すことになった悲劇的な事件です。

 

このとき、血友病患者に対して使われた血液凝固因子製剤はHIVウイルスに感染したと推定される外国人供血者の血液を原料に製造されており、さらに加熱によるウイルスの不活性化を行わないまま治療に使用した事で多くの血友病患者をHIVウイルスに感染させる結果となってしまいます。

 

ちなみにこの時、HIVウイルスに感染した血友病患者の数は日本全体の約「40%」にあたる1800人以上にも及んでおり、史上最大規模の薬害事件として現在でも語り継がれています。

 

 

薬害エイズ事件に類似した諸外国の事例

日本においては史上最大規模の薬害事件として語り継がれている「薬害エイズ事件」ですが、非加熱製剤(血液凝固因子製剤)の使用によるHIV感染の薬害事件は日本だけでなく世界中で起こっています。

 

たとえばカナダでは刑務所に収監された受刑者から血液凝固因子製剤の原料として血液を集めた結果、血友病患者の中にHIVウイルス感染者が出たという事例も認められています。

 

このケースでは感染者の数がそれほど多くなかったことで刑事事件に発展する事はありませんでしたが、フランスで起きた血液製剤による薬害エイズ事件は日本以上に大規模だった為、後に日本と同様に関係者に対して刑事責任を追及する結果となっています。

 

フランスで起きた史上最悪の薬害エイズ事件では全血友病患者の45%がHIVに感染し、さらに血友病患者だけでなく輸血などによる感染者数も4000人~5000人に及んだと言われています。